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「お中元」…その由来

親しい方に日頃の感謝や「お元気ですか」の意をこめて送る、夏の風物詩「お中元」。子どもの頃、仰々しい熨斗(のし)に包まれた大きなボール箱を開けると、いつもはそれほどお目にかかれないジュースの詰め合わせや、果物の缶詰などが顔をのぞかせ、嬉しかったのを覚えています。さて、この「お中元」、一体なぜこんな呼び方なのでしょう?夏のお見舞いなら、「暑中見舞いの贈り物」としても、問題ないような気がしますが…。実はこの呼び名、もともとは古くからある中国の暦に由来しているのです。旧暦になりますが、新年、つまり1月の15日を、小豆粥を食べて魔を祓い、年の初めを祝う「上元」と呼んでいました。そして、古来先祖の霊を供養するための行事が行われてきた旧暦の10月15日を「下元」と称していたのです。さらに、1年の中ほどに位置する7月15日が「中元」と呼ばれていました。半年間、無事に生きられたことをお祝いし、親やお世話になった人たちに感謝の意をこめてその家々を訪ね、贈り物をしていたのです。この風習から、やがてその贈り物自体を「お中元」というようになりました…というのが、事の真相です。古来からの良きならわしが徐々に廃れていくような中、人を思いやり、親しい方に感謝の気持ちを伝える「お中元」―。品物云々ではなく、日頃から生きていられる幸せをみんなで分かち合えるようなこの習慣、大切にしていきたいことの一つと言えるのではないでしょうか。