女性下着に男性がことさらに寄せる性的な好奇心、それゆえに生まれたタブーの壁を乗り越える建前として、パッケージ・デザインやギフトとしての工夫が凝らされていったとみることもできるだろう。鴨居羊子にとって、これはある意味、時代からの逆風であっただろう。下着のファッション性を主張すればするほど、男性から浴びせられる性的な好奇の視線。加えて、それを助長するかのように、同じ女性たちの批判の的にもなることを、鴨居羊子は『下着ぶんか論』で語っている。「物干しにはされたいろとりどりのパンティを眺める人の態度はどうでしょうか。『まあ、なんていう恥知らずのお嬢さんでしょう!』とか『お母さんもお母さん、あれでよく黙ってるわね』という隣り近所の奥さんたちのカゲぐち、また、お母さんの『近所の目もあることだから、あれだけは……』といったタメ息」男性から連射される性的な好奇の視線。それに呼応する、旧世代の女性たちの保守的な価値観。両者が下着を羞恥のタブーで包み込み、下着のオシャレを洋服の下に押し込めて、「見せてはならないもの」にしていった。1960年頃のことである。
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