「うれしいね、サッちゃん」。かつて、こんなキャッチコピーでお店を大々的にアピールした某有名百貨店があった。一流のアートディレクターとコピーライターに制作を依頼。その費用は1字1000万円とも2000万円ともいわれたものだ。新聞の全面広告もあればテレビ広告も多かった。店舗ビル全体を覆うような大きな垂れ幕もつくった。トータルの広告宣伝費は数億円にのぼったはず。シーズンごとに同じような広告戦略をとり、それを3、4年続けたのちに経営が傾きはじめ、現在は、違う経営者のもとで再建に取り組んでいる。商品名や価格といった具体的なアピールを省いた、「うれしいね、サッちゃん」といった広告をイメージ広告という。まったく効果がないとはいわないまでも、基本的に、年間に何十億円、何百億円と広告宣伝費を使える大企業がやることだ。多くの会社は、なけなしの金をなんとかやりくりして広告宣伝やチラシに回すのである。「死に金を使うな、生き金を使え」は鉄則だ。カネ、つまりは資金がなければ、訴求効果が低いイメージ広告は避け、キャッチコピーからデザインまでを自社(自分)でやる、というのがまっとうな姿であることはいうまでもない。といって、やみくもに広告を出せばいいというものではないし、我流の広告のすべてが消費者に訴えるわけではない。奇抜なアイデアもそうそう思いつくわけではない。ヒットしている他社の広告やチラシを真似たり、観察することからスタートする以外にない。