結婚していない女性は一人前でない?「とくに急いで結婚しなくともよかったんだけど面倒だったから結婚しちゃった」というA子さんは三二歳で出版社動務をしている。「白山な雰囲気」と部外者にはうつる職場も結構保守的なのである。A子さんは現在は雑誌の編集で、主にスポンサー依頼のタイアップページの仕事をしているが、四年前までは文芸書の編集部に在籍していた。連日かなり多くの人々と会う仕事だが、「結婚してらっしゃるの?」「お子さんは」などの会話の多さにA子さんは驚いていたものだった。おじさんが「結婚はまだ」「なぜ結婚しないの」などとからかうのはなんとも思わないが、こうした会話が女同士の仕事の場で出るのには困ってしまうのだ。なかでも年配の女性にインタビューする時などは、取材陣の中で未婚の彼女は一人話がついていけなくなったりすることもあったのだ。「結婚してない女性は一人前ではない」「女は結婚により成長する」という雰囲気で、何度となく息苦しい気分を味わった彼女は二年前結婚を決めたという。「丁度つきあっている男性がいて、将来は結婚してもいいかなと考えていたこともあったからです」B子さんは私立女子校の小学部で教師をしている。大学を卒業し母校の女子校に就職して二年目、二三歳で結婚した。早目の結婚だが、結婚を急いだのは「仕事がしやすくなるため」だった。B子さんの教える小学生の母親は丁度B子さんと同年代、もしくは少し年上である。母親たちと面談する時、B子さんはいつも気おくれしてしまうのだ。母親たちは高学歴で教師の免許をもっている人も多い。栄養士や薬剤師の資格をもっている人もいる。話をしても、B子さんは自分が半人前のような気分に陥ってしまう。「女性は結婚して子どもをもって一人前、結婚してもいない人が教えられるのかしら」という母親たちの雰囲気はB子さんにとっては居心地が悪い。なかには「先生はお子さんはいらっしゃるの」などとたずねる人もいて、その言葉を聞くとB子さんは自分が教師の資格がないような自信のなさに陥ってしまう。こうしたケースが続いて、「やっぱりどうせ結婚するんだから、早く結婚を決めて仕事をやりやすくしたほうがいいかなあ」と同僚との結婚を決めたという。
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