ミネラル管理をしっかりしている土からとれる無農薬有機栽培の作物ほど素晴らしいものはありません。そういう作物には、栄養素が豊富なのはもちろんですが、それ以上の何か自然の力のようなものを感じます。また、もともと栄養素の少ない作物の収穫は、作物が熟して栄養がピークになる前に行われています。店に並んでいるときに、ちょうどいい色つやになるように早めに収穫されるのです。熟した作物を農家がっくりだからないのは、農家だけに責任があるわけではありません。消費者がそうさせているのです。例えば、赤いピーマンは緑のピーマンが熟したものですが、ほとんど店先で見かけることはありません。というのは、赤いピーマンにするには2倍半の手間がかかるのですが、5割増でしか売れないからです。赤いピーマンのほうが、何倍もビタミンなどの含まれる量が多いことを考えれば、緑のピーマンの3倍くらいの値段で買っても得なのです。消費者がそのことを知って、赤のピーマンをどんどん買うようになれば農家もそれだけつくるようになるのです。さらに運搬、加工、貯蔵の間にも、ビタミンなどの栄養素はどんどん損なわれていきます。散々栄養素が失われてやっと家庭の台所に到着したとしても、調理方法によっては、残りわずかな栄養素は見る影もなくなってしまいます。また口に入ってからも、現代人のライフスタイルを考えてみると、まず、カフェイン、アルコールなどの嗜好品、痛み止め、制酸剤、風邪薬などのクスリが、栄養素の消化吸収、利用の邪魔をします。さらに、よく噛まない、胃酸など消化液が少ないなど、消化吸収力が弱く、栄養素をうまく吸収できません。一度、食べ物を口に入れてから飲み込むまで何回噛むのか数えてみてください。噛む回数が少ないのにあらためてびっくりするのではないでしょうか。噛むことで、胃腸の負担を軽くするだけではなく、唾液という最初の消化液が十分出ることになります。噛むことは最初の消化活動なのです。また現代人は、胃酸が少なく(特にアレルギーの人)、栄養素の吸収がうまくありません。ビタミンやミネラルを処方する前に、必ず胃酸の検査をするというアメリカの栄養療法医もいるくらいです。食べ物が体の中に取り込まれるかどうかを考える際には、少なくともこれくらいのことは考える必要があるのです。