現在の医療が硬直してしまった社会病理として、厚生省とマスコミの医療包囲網の構図を考えなければいけません。本来マスコミは、腐敗しがちな権力の不正を監視する立場ですが、官僚は秀才集団ですからマスコミを簡単に仲間に取り込んでいるのです。厚生省には他の省庁と同じように記者クラブがあり、マスコミ各社はそこに何名かの記者を駐在させています。ですから、エイズ問題にしても岡光事件にしても、厚生省のあやしげな雰囲気を当然知っていたはずです。
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そうでなければ厚生省の記者達は一日中何の仕事をしていたのでしょうか、厚生省の「コンドーム」のお先棒を本気で担いでいたのでしょうか。マスコミは厚生官僚から情報をもらわなければ仕事ができない弱みがあります。このことから、厚生省批判、官僚批判を行えば、厚生省は情報を与えないという無言の圧力により、マスコミを操作することが可能になったのです。さらに、自分に都合のよい情報しかマスコミに流さないという手法により、国民そのものの遠隔操作を可能にしたのです。一般の人達が医学や医療を理解したいと願っても、理解する上で困難なことがたくさんあります。世の中の医学情報は、読者受けを狙った感情的な論調や身勝手な論法を振り回す解説が多く、それらが医学や医療を理解する上で障害になっているのです。そのために、本を読んでもわかったようでわからないような、何となく腹立たしいような、納得できない気分だけが残されることになります。